不安を書き出すと落ち着くのはなぜか。眠れない夜のためのやり方
頭の中だけで、不安と戦っていませんか
明日の面談。あの人からの返信。お金のこと、体のこと、この先のこと。
夜、布団に入ると、昼間は抑えていた不安が一斉に話しはじめる。一つを考え終わる前に、次が来る。「考えても仕方ない」と分かっているのに、やめられない。
そんな夜にいちばん効くのは、意外にも、考えることをがんばるのではなく、外に出すことだ。
書き出すと落ち着く、3つの理由
まず、不安の正体が見える。頭の中の不安は、大きさが分からない。ぼんやりしたまま、膨らんでいくばかり。ところが文字にしてみると、「あれ、書いたら3行だった」ということがよく起きる。不安は、輪郭が見えた瞬間に、等身大に戻る。
次に、脳が「覚えておく仕事」から降りられる。不安の何割かは、「忘れちゃいけない」という緊張でできている。紙やメモに預けてしまえば、脳は夜勤を続ける理由を失う。
そして、繰り返しが止まる。頭の中では、同じ不安が何度でも再生される。でも書いたものは、もうそこにある。二度書く必要はない。ループの外に、出口ができる。
心理学では、感じていることをそのまま書く方法は筆記開示と呼ばれ、不安やストレスをやわらげる方法として広く研究されてきた。特別な道具も、才能もいらない。
やり方は、シンプルでいい
1. 紙でもスマホでもいいので、開く。 枕元にあるものでいい。きれいなノートを買いに行かなくていい。
2. 不安を、そのまま書く。 「面談でうまく話せる気がしない」「返信が来ないのが気になる」。文になっていなくていい。単語の羅列でいい。誰にも見せないのだから、格好をつける必要はない。
3. 出しきったら、一つだけ聞いてみる。 「この中で、今夜できることはある?」。たいていの答えは、ない。それでいい。「今夜はもう、何もできない」と確認できたことが、収穫になる。
4. あとは、閉じる。 見返さなくていい。解決しようとしなくていい。外に出すところまでが、今夜の仕事。
「書く元気もない」夜は、声で
本当に疲れている夜は、スマホに文字を打つことすら重い。指が動かない。それなら、声に出すだけでもいい。
布団の中で、小さな声で、「明日が不安」「あれが気になってる」とつぶやく。書くのと同じで、外に出れば輪郭ができる。話すのは書くより速くて、目も指も使わない。
不安は、追い出そうとすると強くなる。でも、置き場所を用意してあげると、静かになる。頭の外に、置き場所を作ること。今夜から、試してみてほしい。