頭の中がうるさい。ADHD の思考多動と付き合う4つの方法
頭の中で、ずっと何かが鳴っている
テレビを何チャンネルも同時につけているみたい。考えが次々に割り込んでくる。さっきまで考えていたことが、もうどこかへ行ってしまった。
ADHD の人がよく「頭の中がうるさい」と表現する状態だ。身体は動いていなくても、思考だけが多動になる。脳内多動と呼ばれることもある。
診断がある人だけの話じゃない。その傾向がある人にも、疲れているときの誰にでも、同じ感覚は起こる。そして本人にしか聞こえないから、なかなか分かってもらえない。
うるさいのは、欠陥じゃない
次々に浮かぶこと自体は、悪いことじゃない。連想が速い。発想が飛ぶ。それは強みの側面でもある。
問題は量じゃなくて、置き場所がないこと。 浮かんだものを全部頭の中に置いたままにするから、どれも消えずに鳴り続ける。ADHD の脳は「覚えておく」ための作業台が狭いと言われる。狭い台に載せたまま増やせば、あふれるのは当然だ。
つまり、頭の外に置き場所をつくれば、音量は下げられる。
なお、うるささが強くて生活がつらい状態が続いているなら、我慢し続けずに専門家に相談してほしい。ここから書くのは、日々の音量を少し下げるための工夫だ。
1. 浮かんだそばから、外に出す
頭の中に置いておかない。これが基本方針になる。
浮かんだ瞬間に、声に出すか、メモに落とす。「あ、あれ返信してない」と思ったら、思った三秒後には外に出す。覚えておこうとした時点で、作業台が一つ埋まる。
きれいに書こうとしなくていい。単語の断片でいい。外にありさえすれば、頭は見張りをやめられる。
2. 受け皿を、一つに決める
メモがあちこちに散らばると、今度は「どこに書いたっけ」が新しいノイズになる。
紙のノートでも、スマホのメモでも、音声でもいい。「浮かんだものは全部ここ」という受け皿を一つに決める。迷いが消えると、出すこと自体が速くなる。
3. 全部に、応えない
浮かんだ考えのすべてが、行動を求めているわけじゃない。
外に出したものを眺めると、分かってくる。いま動くべきものは、案外少ない。あとで考えればいいもの、まだ結論の出ないもの、実はもう手放していいもの。そのまま流していい思考が、半分以上ある。
「浮かんだ=やらなきゃ」を切り離せると、頭はずっと静かになる。
4. 身体から、静かにする
思考の多動は、身体が止まっているときほど大きくなる。
散歩する。階段を使う。ストレッチをする。身体に軽い仕事を与えると、頭の回転は少し落ち着く。夜にうるさくなるタイプなら、寝る前のスマホをやめて、先に身体をほぐすほうが効く。
静けさは、性格を変えなくても手に入る
頭のうるささは、性格や努力の問題じゃない。置き場所と付き合い方の問題だ。
外に出す。受け皿を決める。全部に応えない。身体を動かす。今日、どれか一つからで大丈夫。